天の逆鉾(アマノサカホコ)宮崎県高原町 高千穂峰(タカチホノミネ)
場所は宮崎県高原町、高千穂峰(タカチホノミネ)。
天孫降臨の最有力候補地であるこの霊峰の頂上にそれは突き立てられています。
標高は1573.7m。鹿児島県霧島町の高千穂河原から登ると1時間半あれば着きます。私にとっては3度目の登山になります。
ファミリー登山も可能な山ですが、ある程度の準備をしていかないと泣きを見ます。
下山途中で、半ズボンにズック姿の女の子を連れた家族を見かけましたが、
あれはすぐに引き返したでしょうね。さもなくば怪我は必至です。
なぜならば・・・
登山道はすぐにこんなありさまになります。
標高約1250mを境に稙層がそれは面白いくらいにガラっと変わります。
この先はもう背の高い植物は無く、岩と苔の世界。鳥の鳴き声もパタリと止み、風の唸る音しか聞こえなくなります。
霧島と呼ばれるだけあってごらんのとおりの視界。天候のいい日は素晴らしい眺めが望めるのですが、この日は悪天候。
半径15mしか見えません。それでもまだましな方ですが。
写真は今から登る道。いやになってきます。しかもこの道は急な上に、溶岩が砕かれてできた砂利と砂からなっていて、「3歩進んで2歩下がる♪」を味わう事ができます。
少し違いますが賽の河原か無限地獄に放りこまれた感じ。「俺、何か悪い事したか?」という気分になります。
写真は登ってきた道をふりかえったところ。
この時点で後悔しまくっていますが、もう登るしかありません。![]()
写真は途中の御鉢と呼ばれる火口。通称馬の背。ここで標高1427m。
一瞬晴れていたのですが、すぐに左右から雲が湧き上がりこの状態。風が無いだけましでした。はば約3mの道を進んでいきます。
どちらに転んでも大怪我をします。前置きが長くなりましたが、更に登って頂上(標高1573m)、天の逆鉾です。
以前は囲いや鎖など無かったのですが、これを引っこ抜こうとする不届き者(私含む)が後を絶たないのか警戒が厳重になってきました。正面から見たところ。
比較するものが無いのでわかりづらいですが、大きいです。儀礼用なのでしょうか。ともかく人間が実戦で使うサイズではありません。アップ
逆鉾というだけあって、柄の部分が岩に突き立てられており、鉾先が天に向いています。
柄の上部の両面には人面のレリーフがあり、辺りを睥睨しています。太い眉、つりあがった眼、きつく結ばれた口、そして大きな鷲鼻が見えるでしょうか?サイドビュー
写真では青っぽくなっていますが、実際の色は緑青です。
触ってみたところ(笑)青銅のように感じましたが、よくわかりません。
一人の力で引き抜ける物ではないので皆さんは真似しないで下さい。敏感な人の場合、霊障もあるかもしれませんし(笑)さて、この「天の逆鉾」。起源がよくわかっておりません。
山小屋の小屋守に聞いても一般的に知られている以上の事はわかりませんでした。
坂本竜馬が新婚旅行でここ訪れているようです。
その際にこれを妻と二人で引きぬいたことが姉にあてた手紙に書かれているそうです。
その手紙によると長さは120〜150cmとなります。
最も古い記録には奈良時代の噴火による一部破損のことがふれられているのだそうですが、 残念ながら出典がわかりませんでした。
少なくとも奈良時代には既に有ったようです。現存するものと同一の物かはわかりませんが。これだけ珍しいものにもかかわらず、観光地としては無視されています。
そして関係する文献があまりにも少ない。
そのことが次のような事を私に邪推させるのです。
このオブジェは天孫降臨を記念して立てられたとするのが一般の解釈ですが、
わたしは逆に感じるのです。
支配の証ならば切っ先を地に突きたてるのが妥当ではないでしょうか。
ところがこの鉾は逆鉾と呼ばれるように切っ先が天をさしている。
しかも三叉。
この内の一つが邇邇芸命。残りの二つが邇邇芸命を中心とした神、
天照大御神(祖父)・天忍穂耳命(父)・火遠理命(子)・鵜葺不葺合命(孫)
の何れかをさしているとしたら。
怒りの表情をあらわす鷲鼻のレリーフが天孫の案内役を務めたとされる猿田彦であるとしたら。
天の逆鉾とは、天孫降臨伝説をこころよく思わない国津神の一族が、
古事記を否定し、天津神の一族を牽制する意味で立てたのではないでしょうか。
ぶっちゃけて言えば「古事記は嘘だ!我々は高天原の支配を承認してはいない!
おまえら降りて来んな!」ということです。
だからこそ人知れずひっそりと祭られている。これが私の考えです。
物証は何も無く、妄想の域を出ませんが。
そのほうが楽しいと思うのですが如何でしょうか(^^;写真・文書提供 スタジオジンジャー代表 Ginger (HP) 様
ジンジャーさん。いつも貴重な写真とご報告ありがとうございます。なるほど!矛先が天を向いているのは、ニニギ神の天孫降臨伝説を認めないと言う証なわけですね。そもそも天孫降臨伝説って日本のあっちこっちにありますよね。高千穂のがメジャーですけど。そういえば一昨年訪れた飛騨にも伝承がありました。ピラミッド山と呼ばれる所には結構多いんです。そもそも、あの!竹内文書も天孫降臨説を根幹としてますが宇宙創生から始まるんでスケール感が違いますが(苦笑)。逆鉾が国津系が天津系に牛耳られた腹いせの象徴というのは面白い。自分には、古事記に語られている神話より出雲神話の方がよっぽど面白いと思いますけどもね。霧島は、今年の夏調査で訪れる予定でいます。これから文献調査等を開始するのですがその説は、いろいいいとご指導くださいませ。ありがとうございました。(超歴史研 広報部)